理事 丹野 克子

 みなさん、こんにちは。3月まで地域包括支援センターの主任介護支援専門員だった私は、今年の4月、仕事を変えました。大学の教員になりました。おかげさまで毎日楽しく仕事をさせていただいています。しかし、次のことに、今とても困っています。
 ひとつ目は、時間と仕事の管理を、自分だけでやらなくてはならないことです。今までは、訪問、会議、研修など、目白押しのスケジュールでただただ忙しく、「忙しくて疲れている暇も無い」日常でした。きっと皆さんもそうでしょう。ところが、こちらは授業と会議と行事以外は、すべて自分自身でスケジューリングです。研究や教育の内容構成や準備には、マニュアルとモデルがありません。時間に追われる3月までの日々が懐かしいのですが、しかし、今も暇はありません。することはいっぱいあるのです。ところが、「今日は○○さんの訪問に行って、プランを作って、確認してもらった」とか、「ややこしくなっていた事業所と利用者の関係にかたがついた」とか、「地域の方との会議を終えた」のような“成果”と“達成”を日々何かしら感じていた3月までと違って、成果を感じるまでに長期間かかるのです。時間と仕事の管理をきちんとしないと成果を得ることすらできないかもしれません。このままでは「自分のやっていることが見えない病」に侵されてしまうのではないかと思っています。
 ふたつ目は、会話をせずに1日を終えることができるということです。相談者の電話が終わっては鳴り、切っては鳴り、事業所を出て外に行けば、利用者、家族、サービス事業者、地域住民、行政の方々との、常に対話、対話、対話・・・それが今では・・・部屋に電話はありますが、学内用件はすべてメール。「お荷物が届いております」もメールです。学生や他の先生の来室は、たまにあります。授業のときにはもちろん声を出しますが、対話というものとは質が違います。それに今は学生は夏休みです。お昼は他の先生と一緒に食べますが、時間や日程により、一人のこともあります。このままでは「対話不足による全身状態悪化(呼吸不全、心肺機能低下)」で気を失うのではないかと思っています。
 ある特定の生活環境と生活リズムは、馴染んでいる人にとってはあたり前のことでも、新参者には乗り越えなくてはいけないハードルがいくつもあるということを、利用者の新サービス導入の時にいつも念頭に置いていました。そして、馴染んでいける力を誰もが持っていることも、多くの利用者を担当させていただいて知っています。しかも、それへの支援の存在は、それがより早くスムーズに進むことに有効でした。
 ですから、皆さん、私を助けると思って、お部屋にどうぞ遊びに来てください。居場所は山形県立保健医療大学保健医療学部理学療法学科、大学4階の「研究室6」です。窓から県立中央病院と月山と新幹線が見えます。お土産はおいしいカステラを希望します。




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